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発刊の辞

川端香男里

 ウラジーミル・ナボコフ生誕100 年を期に設立された日本ナボコフ協会は、研 究会、大会、シンポジウムを着実に積み重ねてまいりました。その間特筆すべきこ とが二点あります。ひとつは、多くの協会メンバーが京都大学の21 世紀COE プ ログラム「グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成」の一翼を担って、異文化 翻訳の壮大な試みとして、ナボコフ訳注『エヴゲーニイ・オネーギン』をとりあげ、 画期的な研究成果をあげたこと、もうひとつは、協会をナボコフ文学に関心をもつ 人々のつどう場にしようという設立当初の意図が、着実に実現されてきているとい うことです。たとえば、ナボコフに関心をもつ現役作家の研究会への参加は、ナボ コフ文学の多面的な魅力を味わうという点で大きな意味をもっています。
 ナボコフ協会は発足時から年2 回の大会開催と会報『KRUG』の発行を続けて きました。『KRUG』は会報、つまりニューズレターとして刊行されてまいりまし たが、会の活動が積み重ねられ活発になるにつれて、ページ数が増えただけでは なく、内容的に「学会誌」の論文に相当する寄稿文も数多く見られるようになり ました。そのため学術論文を掲載できる正式の学会誌の立ち上げが急務となって おりました。まず「オンライン・ジャーナル」という形での立ち上げを試みたの ですが、諸般の事情で実現には至りませんでした。結局、通常の紙媒体ジャーナル という形をとることとし、とりあえず昨年の大会報告集(Proceedings)を新ジャ ーナルの準備号的性格をもつものとして刊行した次第であります。
 このような経過を経て、新ジャーナルを出すことになりましたが、『KRUG』と いう名前が会員に親しまれ定着していることもあり、同じ表題を今後も継続して 用いることにしたいと思います。ただし内容的には一新されますので、『KRUG』 (新シリーズ)といたします。

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